米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は、今後数回の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で債券購入を縮小する適切な時期について議論を始めることができるかもしれないと述べた。

  クラリダ氏は25日、ヤフー・ファイナンスのインタビューで、「恐らく、今後数回の会合で資産購入ペースの縮小について議論を開始できる状況になるだろう」と発言。「今後入ってくる経済データ次第になると思う」と続けた。

Richard Clarida, vice chairman of Federal Reserve System, speaks at the National Association of Business Economics (NABE) economic policy conference in Washington, D.C., U.S., on Tuesday, Feb. 25, 2020. This year’s annual conference theme is “Examining Policy Prescriptions in an Election Year.” Photographer: Sarah Silbiger/Bloomberg

  米金融当局は月額1200億ドル(約13兆円)のペースで資産購入を実施しており、同プログラムの縮小を話し合う時期が近づいているかどうかの議論が重ねられつつある。当局者は米経済が雇用とインフレの目標に向けて「一段と顕著に進展」するまで購入の縮小を開始しないとしており、多くの市場関係者は年内にこの条件が満たされると考えている。

  政策金利をゼロ付近に据え置いた4月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨では、幾人かの参加者は経済が急速な進展を続ければ「今後の会合で」そうした議論を開始することに前向きな姿勢だったことが示された。次回のFOMCは6月15、16両日に開催される。

  労働省が発表した4月の米消費者物価指数(CPI)が予想より強いインフレ圧力を示したことに関し、クラリダ氏はこうした圧力の「大部分は一時的なものと判明するだろう」と述べ、統計の詳細はこうした見方と一致していたと指摘した。

  同省が発表した雇用統計では、4月の非農業部門雇用者数が前月比26万6000人増と、予想の100万人増を大幅に下回った。クラリダ氏は「直近の雇用統計は労働市場について短期的にかなりの不確実性を浮き彫りにした」と述べ、「私自身としては、労働市場の改善ペースが加速すると思う」と付け加えた。

原題:Clarida Says Fed May Begin Talking Taper at Coming Meetings (1) (抜粋)