【ソウル=桜井紀雄】韓国の李洛淵(イ・ナギョン)元首相は27日、東京五輪の公式ホームページ上の地図で、韓国が不法占拠する竹島(島根県隠岐の島町)が日本領土として表示されているとして、交流サイト(SNS)を通じて削除を要求した。「日本が最後まで拒否すれば、韓国政府は五輪ボイコットなど可能な全ての手段を動員し、断固たる対応を取るべきだ」とも主張した。

李氏は、文在寅(ムン・ジェイン)政権きっての知日派として知られ、与党の代表も務めた。来年3月の大統領選出馬を模索しており、支持層受けしやすい対日強硬姿勢をあえて示した可能性もある。

李氏は「日本の行為はオリンピック精神にも反する」と強調した。

26日には、李氏の後任だった丁世均(チョン・セギュン)前首相も、日本が削除を拒否するなら「五輪不参加など全ての手段を動員すべきだ」と主張していた。

韓国外務省報道官は27日の定例記者会見で、竹島表示について「決して受け入れられない」と指摘。「関係機関と協議して積極的に対応していく」と説明した。