[ブリュッセル 31日 ロイター] – 主要7カ国(G7)の財務相は、今週4─5日に開かれる会議で、新型コロナウイルス禍からの脱却に向け各国の景気支援を継続するほか、法人税の国際的な最低税率の導入を支持する方針を打ち出す見通しだ。

ロイターが入手した共同声明の草案では「政策支援を早急に解除せず、成長を促進するための投資を行い、質の高い雇用を創出しながら、気候変動や格差に対処することを確約する」と表明。同時に「回復が確固たるものになった後は、将来の危機に対応できるよう、財政の長期的な持続可能性を確保する必要がある」と確認し、コロナ後の段階的な支援解除を示唆した。

G7各国は、世界的大流行(パンデミック)が始まった2020年3月以降、度重なる都市封鎖(ロックダウン)で深刻な不況に陥る中、経済を存続させるために数兆ドルもの資金を投入してきた。

声明草案ではさらに、公的財政への負担軽減に向け、経済協力開発機構(OECD)の下、大規模な多国籍企業を対象にした法人税の国際的な最低税率の導入を強く支持。「課税権の配分に関する公正な解決策と、グローバルミニマム税に関する高いレベルの野心に到達することを約束する」とし、7月の20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議での合意につなげたい考えを示した。ただし具体的な数字には言及していない。

米財務省は今月、法人税の国際的な最低税率について、OECDの会合で15%を下限とすることを提案。当初呼び掛けていた21%から譲歩した。