[北京 1日 ロイター] – 中国銀行保険監督管理委員会(銀保監会)は、中小の銀行に対し、不動産融資の伸びを抑えるよう要請した。中小行の中に、大銀行が厳しい規制を受けているのに乗じて融資をする動きがあるため。銀行監督当局は引き続き、不動産セクターの金融リスクに真剣に取り組んでいる。
銀保監会の統計部門の検査官は1日の記者会見で、不動産融資の盛り返しに注意し、新規融資に占める不動産融資の比率が高い銀行を注意深く監視していくと述べた。
監視対象の銀行に対し、不動産融資抑制の要件を達成するよう促し、対象行の不動産融資の伸びを「合理的に」管理するとし「要件を達成できない銀行には一段と厳しい措置を講じることになる」と述べた。
中国当局はこれまで、過熱した不動産市場の債務リスクにさまざまな対策を講じてきた。中国人民銀行(中央銀行)のデータによると、9月末時点の銀行融資残高の30%近くが不動産融資だった。
銀保監会の幹部は、今年1─4月の銀行の不動産融資の前年比伸び率が10.5%で4カ月の伸びとしては過去8年で最も低かったと述べた。
同幹部によると、この期間の6大国有銀行の総融資に占める不動産融資の割合も低下。不動産市場への過剰な資金流入問題が是正され始めたと指摘した。
ただ銀保監会は、大手銀行が不動産融資や住宅ローンを規制されている中、中小行が不動産融資を大幅に拡大させていることも認識している。
実体経済をどの程度借り入れで賄っているかの割合であるマクロレバレッジ比率は低下傾向にある。同幹部によると第1・四半期は前年比3.6%ポイント低下した。