[ブリュッセル/ロンドン 4日 ロイター] – 欧州と英国は4日、交流サイト最大手の米フェイスブックに対して競争法違反の疑いで正式な調査を開始した。フェイスブックが顧客データを広告主との不当な競争に利用していないかどうかを調べる。フェイスブックのビジネスモデルに対する新たな打撃となった。
欧州当局は、フェイスブックが「マーケットプレイス」 で広告を出している700万社近くの企業から収集したデータを含む大量のデータをどのように使っているかを調べる。
フェイスブックは調査に根拠がないと述べた。
欧州連合(EU)欧州委員会のベステアー上級副委員長(競争政策担当)は「デジタル経済では、競争をゆがめるようにデータを使ってはならない」と話した。
2016年に始まったマーケットプレイスは、品物を売り買いするプラットホームで、70カ国で使われている。19年以降、EUの調査対象となっている。
ベステアー氏は「このデータがオンラインのクラシファイド広告の分野を中心に、フェイスブックに不当な競争上の優位をもたらしていないか細かく吟味する」と述べた。
英国の調査はより広範な内容で、フェイスブックがどのように広告主からデータを収集しているか、また、フェイスブックのログインを通してほかのウェブサイトにもアクセスできるシングルサインオンについて調べる。シングルサインオンがマーケットプレイスとデートサービス事業にどのような恩恵をもたらしているかもみる。
英国の競争当局である競争・市場庁(CMA)トップのコシェリ氏は声明で「フェイスブックのビジネス手法が、オンラインデートやクラシファイド広告の分野で不当な優位をもたらしていないかを判断するために同社がどのようにデータを利用しているかを細かく調べる」と述べた。
各国政府は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)中に力を増したテクノロジー企業に対する規制を強化しようとしている。主要7カ国(G7)の財務相は多国籍企業を対象とした新たな税法を検討している。