暗号資産(仮想通貨)ビットコインは8日の取引で、約2週間ぶりの安値に下落した。米パイプライン運営のコロニアル・パイプラインがハッカーらに「身代金」として支払ったビットコインの大半を当局が取り戻したことで、政府のコントロールを受けないという安心感が揺らいだことが理由と指摘する声もある。
コロニアル・パイプラインの「身代金」、米当局が数百万ドル奪還
ビットコインはニューヨーク時間の取引で一時10%下落し、3万1000ドルに迫った。ブルームバーグ・ギャラクシー・クリプト指数は一時15%安。イーサやライトコインなどはさらに大きく売られている。
オアンダのシニア市場アナリスト、ジェフリー・ハレー氏は、捜査当局が「追跡し奪還できたという事実が、政府のコントロールから自由だとの認識を弱めたのかもしれない」と述べた。
米司法省が7日発表した文書によると、連邦捜査局(FBI)はハッカーらが資金移動に使ったデジタルアドレスを見いだし、ビットコインを回収することができたという。
一方、テクニカルストラテジストはビットコインの節目の水準に注目している。スイスクオートのシニアアナリスト、イペック・オズカルデスカヤ氏は「主要な下値支持線は3万ドルの水準だ。そこを割り込むとストップロスの売りが出て短期的に売りが加速する恐れがある」と述べた。
ハレー氏も3万ドルを割り込むと強気派が降参する可能性があるとし、エバコアISIのリッチ・ロス氏は2万9000ドル前後の支持線を模索することになるとみている。
原題:Bitcoin Tumbles as Analysts Point at Looming Technical Breakdown、Bitcoin Extends Drop to Levels Last Seen in May’s Crypto Selloff、Bitcoin’s Fizzling 2021 Returns Start to Lag Mainstream Assets、Bitcoin Drops More Than 5% in Renewed Cryptocurrency Selloff(抜粋)