[キエフ/ブリュッセル 14日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は14日、ウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟への前段階である加盟行動計画(MAP)を巡り、バイデン米大統領からの明確な答えを望んでいると述べた。
ロイターやAP通信などとのインタビューで、「NATOやMAPについて協議するのであれば、(バイデン氏から)イエスかノーか具体的な答えを聞きたい」と指摘。「ウクライナの加盟の可能性と明確な日付を知る必要がある」とした。
また、16日に開催が予定される米ロシア首脳会談について、バイデン氏がウクライナを交渉の切り札にしないと確約したと明らかにした上で、米ロ首脳会談からプラスの材料が出てくる可能性を期待しているものの、「幾分懐疑的」と語った。
さらに米国に対して、ウクライナへの経済支援を要請したほか、バイデン氏および国際通貨基金(IMF)の双方に対し、ウクライナへの「不公平な」改革を要求する前にウクライナ問題を理解するよう求めた。
NATOはこの日、ブリュッセルの本部で首脳会議を開催。ウクライナは招待されなかったことに不満を示していた。
ゼレンスキー大統領は、ウクライナはNATO加盟に向け、できる限りのことを行ったとし、「大部分の欧州連合(EU)加盟国よりもNATO加盟の用意が整っていることを、ウクライナは日々、証明している」と指摘。ロシアがウクライナとの国境沿いに展開する軍部隊を増強させる中、NATO加盟国に対し、ウクライナの加盟手続きを加速化させるよう呼び掛けた。
ウクライナ政府によると、ウクライナ東部における親ロシア派武装勢力との戦闘で2014年以降、1万4000人が死亡。ゼレンスキー大統領は、今後戦闘が再燃する可能性は否定しなかったものの、ロシアは「全面戦争」を引き起こそうとはしていないとの見方を示した。
ゼレンスキー大統領はその後、NATO首脳がウクライナの将来的な加盟を確認したことを歓迎するとツイッターに投稿した。
バイデン大統領はNATO首脳会議後、ウクライナがNATOに加盟するには、汚職根絶などの条件を満たす必要があると指摘。ただ、ロシアによるクリミア半島併合や、同国がウクライナ東部で果たしている役割などを踏まえると、ウクライナが加盟できないことはないとの考えを示した。