アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領はスイスで初めての対面での首脳会談を行い、新たな核軍縮の枠組みの構築など戦略的安定に向けた2国間対話を始めることで合意しました。一方、アメリカに対するサイバー攻撃についてバイデン大統領は、プーチン政権が対応をとらない場合には相応の措置をとると警告しました。

アメリカのバイデン大統領とロシアのプーチン大統領は16日、スイスのジュネーブで初めて対面での首脳会談を行い、およそ3時間半にわたって協議しました。

会談後、両首脳は個別に記者会見を開き、プーチン大統領が「建設的だった」と述べたのに対し、バイデン大統領も「ロシアに向き合ううえでの明確な基礎を築くことができた」と述べ双方が前向きに評価しました。

そして両首脳は共同声明を発表し、核軍縮や軍備管理をめぐって「戦略的安定対話」の枠組みを近く開始することで合意したとしています。

声明では「軍備管理とリスクを低減するための措置の基礎を築くことを目指す」としていて、核軍縮条約「新START」が5年後に失効することを見据えて対話していくとしています。

また、プーチン大統領は会見で両国の関係悪化を受けて自国に戻っていた双方の大使を帰任させることで合意したことも明らかにしました。

一方、会談ではアメリカをねらったサイバー攻撃についても議論され、バイデン大統領はエネルギーや水道など攻撃対象にすべきではない16の分野を明記したリストをプーチン大統領に手渡したことを明らかにしました。

さらに「アメリカにはサイバー分野で極めて高い能力がある」と述べ、今後、攻撃が行われれば相応の措置をとると警告しました。

プーチン大統領はサイバー攻撃についてロシア政府の関与を否定しています。

バイデン大統領は今後、半年から1年かけて首脳会談で合意したことが実行されるのか確認していきたいとしています。