(表のレートを更新しました) [シカゴ 17日 ロイター] – 米金融・債券市場では、長期金利が急低下する中、長短金利差が縮 小した。米連邦準備理事会(FRB)のタカ派姿勢が目立った連邦公開 市場委員会(FOMC)から一夜明け、この日はポジション調整の動き が見られた。 前日は、米経済が新型コロナウイルス禍から回復する中、FRBが 利上げ開始時期の見通しを2023年に前倒ししたことを受け、国債利 回りが急上昇していた。

シーポート・グローバル・ホールディングスのマネジングディクレ ター、トム・ディガロマ氏は「FRBがテーパリング(量的緩和の縮小 )に踏み切ったりテーパリングの議論を行うという見方もあったが、実 際にはテーパリングに関する言及はまったくなく、スティープ化へ大幅 なエクスポージャーを取ろうしていた向きが引いてしまった」と分析し た。

5年債と30年債の利回り格差は117ベーシスポイ ント(bp)と、昨年11月以来の低水準。FOMC声明前は140b pだった。 市場では、FRBが8月にワイオミング州ジャクソンホールで開か れる年次経済シンポジウムでテーパリングに関する計画を発表し、年末 もしくは年明けにテーパリングを開始するとの見方が大勢。利上げ時期 は2023年1月とみられている。

10年債利回りは1.511%と、前日の1.594 %から低下。5年債利回りは0.881%と、前日付けた2 カ月ぶり水準の0.913%から低下した。2年債利回りは 一時0.217%と1年ぶりの高水準を付け、その後0.215%で推 移した。160億ドルの5年物インフレ指数連動債(TIPS)入札は、当 初売りが優勢だったこともあり、底堅い引き合いが見られた。

物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフ レを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物US5YT IP=RRが入札後に2.30%に低下。その後は2.39%で推移した。

FRBは前日、超過準備の付利金利(IOER)と翌日物リバース レポ金利をそれぞれ5ベーシスポイント(bp)引き上げると決定。I OERは0.15%、翌日物リバースレポ金利は0.05%となった。短期金融市場で銀行や企業が資金調達する際に支払う翌日物レポ金 利はこの日0.06%。前日のFOMC発表前は0.01% だった。