• イラン核合意再建協議は合意なく休止、ビットコイン下落
  • 根拠ない予測、シティ日本の新設部門5人採用、クレディSと孫氏

先週は米連邦公開市場委員会(FOMC)会合で当局者の利上げ予想時期の前倒しが明らかになった後、セントルイス連銀総裁が2022年の利上げ開始の可能性に言及。株式や債券の市場が反応しました。今週はFOMC参加者の約半数が、公の場での発言を予定しています。タカ派、ハト派寄りいずれの当局者にとってもメッセージを明確に伝えるチャンス。25日金曜日には米個人消費支出(PCE)・個人所得、および金融当局が重視するPCE価格指数が発表されます。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

強硬派勝利で複雑化

イラン核合意の再建に向けウィーンで開かれていた6回目の当事国協議は、合意がないまま一時休止されることになった。イランでは前日、保守強硬派のライシ司法府代表の大統領選勝利が公表された。ライシ師の勝利自体が米国のイラン核合意復帰を妨げるとはみられていないが、選挙結果を受けて外交は複雑化している。ライシ師は2019年に米国のトランプ前政権によって制裁対象とされた。

ハッシュレート低下

ビットコインが20日に下落。マイニング(採掘)業者の中国事業停止や、中国当局による採掘取り締まり強化の可能性が嫌気された。米東部時間20日午後3時すぎ現在は3.3%安の3万4927ドル。仮想通貨デリバティブ取引所FTXのOTC・機関投資家向けセールス責任者は採掘業者の事業停止を受け、ハッシュレート(採掘に利用されるコンピューターの計算力を測る指標)が中国で大幅低下していると指摘した。

「根拠のない」予測

流動性引き締めや中国人民銀行(中央銀行)政策の方向性に関する「根拠のない」予測は投資家の予想を誤った方向に導きかねず、人為的に変動を引き起こす恐れがある。人民銀傘下の金融時報が論説でこう指摘した。金融政策姿勢は安定しており、流動性を巡る不必要な懸念をすべきでないと、同紙は主張。人民銀は流動性を適切に十分保つと表明しており、これは「空約束」ではないとの見方も示した。

シティ日本の新設部門で5人採用

シティグループは日本拠点で新設された証券サービス部門向けに、外部から5人を採用した。部門長を務める古海敏勝氏らがブルームバーグの取材に対し明らかにした。かつてステート・ストリート信託銀行副社長を務めた米澤文彦氏などが含まれ、今後も事業拡大に合わせて人員を増強する予定だという。証券取引関連業務を手掛ける同部門は、法人向けサービス強化の一環として今月1日付で市場部門から分離した。

融資解消か

クレディ・スイス・グループはソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏個人との長年にわたる融資関係を最近解消し、ソフトバンクGとの取引も縮小したと、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じた。報道によると、孫氏は保有するソフトバンクG株をてこにクレディSなど金融機関から資金を借り入れてきたが、孫氏がクレディSに担保として差し入れた持ち株が5月にゼロになったことが、日本の規制当局への届け出から明らかになった。

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