英国が5年前に欧州連合(EU)離脱を決定した際、ロンドンは世界的な金融センターとしての優位を失うことになるとの懸念が広がりました。しかし新興国市場の世界ではそうした懸念とは全く逆の状況になったようです。イングランド銀行(英中央銀行)のデータによると、EU離脱方針を決定した英国民投票以降、中国人民元やインド・ルピー、ロシア・ルーブルのロンドンでの取引は急増しています。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

来年が望ましい

アトランタ連銀のボスティック総裁は、米金融当局が資産購入ペース減速を向こう数カ月に決定する可能性があると述べたほか、2022年の利上げ開始が望ましいとの見解を示した。総裁は記者団に対し、「最近のデータが示す上方向へのサプライズを考慮し、米金融当局の最初の動きに関する自分の予測を22年終盤へと前倒しした」と発言。またダラス連銀のカプラン総裁もブルームバーグ・ニュースのインタビューで、インフレ率が今年と来年に当局目標の2%を上回り、失業率は4%未満に低下するとし、22年の利上げ開始を予想した。

「雪崩」発生中

米ブラックストーン・グループのスティーブン・シュワルツマン最高経営責任者(CEO)は、米国でキャピタルゲイン税が引き上げられるとの懸念から、同社が今後照準を合わせる可能性のある分野が急速に成長していると述べた。企業が税法の変更前に保有資産の現金化に動いているためという。ブルームバーグ主催のフォーラムで同CEOは「今は好機の雪崩とでもいえる状況だ。来年に増税が実施される可能性があり、同じ資産の売却で税金がずっと高くなる前に売ってしまいたいとの考えが広がっている」と語った。

1年ぶり

23日の外国為替市場で、円が対ドルで約1年ぶりの安値となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が先行して緩和政策を縮小し始めるとの見方から、米国資産の投資妙味が高まっている。円は一時0.4%安の1ドル=111円10銭と、2020年3月以来の安値。FOMCが23年に利上げを2回実施する可能性がある一方、日本銀行は緩和政策を長期間維持するとトレーダーの間ではみられている。

株主に還元へ

JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(BofA)など大手米銀は、今年のストレステスト(健全性審査)通過後に1420億ドル(約15兆7000億円)の資本を株主に還元する見通しだ。米連邦準備制度理事会(FRB)は1年前に自社株買いと配当の制限措置を導入したが、今年のストレステストで審査結果が良好な銀行を対象に、残る制限措置を解除する意向。シティグループとウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー、ゴールドマン・サックス・グループも含む米銀大手6行はすべて、テストを通過すると見込まれている。

膨張に歯止め

ヘッジファンド会社ブレバン・ハワード・アセット・マネジメントは、主要ファンドの2つで新規資金の受け入れを停止した。昨年に記録的な好成績を上げ、資金が膨らんだことが理由。事情に詳しい関係者によると、旗艦ファンド「ブレバン・ハワード・マスター・ファンド」の運用資産は昨年の年始から2倍以上増えて70億ドル(約7800億円)余りに達し、リターンを維持するためブレバンとしては規模を抑えたい意向。「ブレバン・ハワード・アルファ・ストラテジーズ・マスター・ファンド」も同様の理由で新規資金の受け付けを停止したという。

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