宮内庁の西村長官は、来月開幕するオリンピックについて、天皇陛下が現在の新型コロナウイルスの感染状況を大変心配されているとして、関係機関が連携して感染防止に万全を期してもらいたいとする考えを示しました。
宮内庁の西村長官は、24日の定例の記者会見で、「オリンピックをめぐる情勢につきまして、天皇陛下は現下の新型コロナウイルス感染症の感染状況を、大変ご心配されておられます」と述べました。
そのうえで、「国民の間で不安の声があるなかで、ご自身が名誉総裁をおつとめになるオリンピック・パラリンピックの開催が感染拡大につながらないかご懸念されている、ご心配であると拝察をいたします」と話しました。
そして「私としましては、感染が拡大するような事態にならないよう、組織委員会をはじめ関係機関が連携して感染防止に万全を期して頂きたい」と述べました。
天皇陛下は、東京オリンピック・パラリンピックの名誉総裁に就任していて、それぞれの開会式に出席して開会宣言をされる方向で関係機関による調整が進められています。
天皇陛下は、今月21日の日本学士院賞の授賞式のおことばの中で、「現在、わが国を含め世界各国は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大という大変に厳しい試練に直面しています」などと述べられていました。
官房長官「宮内庁長官ご自身の考え方を述べられたと承知」
加藤官房長官は、24日午後の記者会見で「宮内庁長官ご自身の考え方を述べられたと承知している。東京大会では、安全・安心な大会を実現し、国民の皆さんに安全だと思っていただけるよう取り組んでいくと申し上げてきた。引き続き、関係者と緊密に連携し、安全・安心な環境を確保することを最優先に、大会に向けた準備を着実に進めていきたい」と述べました。
組織委 武藤事務総長「安全安心な大会開催することが責務」
大会組織委員会の武藤事務総長は「国民や都民の皆さまの不安がないように安全安心な大会を開催するということが責務なので、その実現に向けて最善を尽くしたいと思う」という考えを示しました。