[香港 12日 ロイター] – 中国国営ラジオによると、巨額債務を抱える不動産開発大手、中国恒大集団が雲南省昆明市で手掛けている2件の事業の建設作業が停止した。

そのうちの1件は、2億1000万元(3200万ドル)以上の支払いが滞っている。

中国中央人民ラジオによると、請負建設会社の作業停止通知は、手数料やコマーシャルペーパー(CP)の支払いが長らく実行されないため、作業停止に追い込まれたとしている。

別の請負建設会社が手掛けるもう一つの事業は、10月に購入者に引き渡しの予定という。建設作業停止の理由は明らかにしていない。

恒大集団のコメントは得られていない。

最近、同社の支払い遅れが次々と明らかになり、取引先が資産凍結を裁判所に申し立てる事例も出ている。

金融情報サービスREDDは11日、中央政府が、恒大集団の本社がある広東省政府に対し、債権者や戦略投資家と連携して支援するよう指示したと伝えた。中央政府は、対応の過程でシステミックリスクが生じるのを防ぎ、国内の恒大集団の事業が安定的に進められることが重要だと強調。広東省政府は、融創中国、中国万科、華潤置地、中国金茂などの不動産各社に恒大集団の事業の取得と共同開発を呼び掛けた。恒大集団は香港の不動産も売却する方針という。

恒大集団はREDDの報道についてコメントしなかった。

同社は10日、電気自動車(EV)子会社の中国恒大新能源汽車集団など一部資産の売却に向けて交渉していることを明らかにしている。