テーマ型上場投資信託(ETF)の運用で知られるキャシー・ウッド氏は中国の大手テクノロジー企業の保有株をここ数カ月減らしてきたが、イノベーションで米国を追い抜いてきた中国が今や後退しつつあるように見えることが理由だと語った。
同氏は13日に収録されたブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「この政権下で激化した中米の威嚇合戦は、多くの活動を自国に回帰させていると思う」と述べた。サプライチェーンの再編は米国にとってはプラスになるだろうし、中国にとってはややマイナスだろうとも話した。
ウッド氏の旗艦ファンド、アーク・イノベーションETFは現在、中国企業株へのエクスポージャーがゼロになっている。教育産業やテクノロジー業界への政府の締め付けで中国本土、香港および米国で中国企業の株価が下落する中で、同氏が最高経営責任者(CEO)を務めるアーク・インベストメント・マネジメントは7月に中国株を売却した。
China’s Crackdowns Stunt Innovation, Cathie Wood Says
キャシー・ウッド氏が語る
Source: Bloomberg)
ウッド氏は「中国が海外資本を受け入れる姿勢になり、もう少し世界に組み込まれたいと望むようになるまで、中国株のバリュエーションは長期にわたって低いままだろう」とし、中国政府の取り締まり強化は「世界で最も革新的な国になりたいという望みに逆行している」と指摘した。
コンピュータサイエンスやエンジニアリング、金融工学における中国の先進性を認める同氏だが、一方で中国は「さまざまなデータが国外へ出ていくことを許すという点に関して、ある意味で後退している」ように見受けられると語った。
「国全体がイノベーションでナンバーワンになることにフォーカスしている」が、「何かが変わりつつあるのではないかという気がする」との認識も示した。
アーク・インベストメントが10日に主催したウェブセミナーでは、ウッド氏は中国株に対して「オープンな姿勢」を保っていると述べていた。
原題:Why Cathie Wood Took Her ARKK ETF’s China Stock Exposure to Zero(抜粋)