【ワシントン、ニューデリー時事】米中央軍は、アフガニスタンの首都カブールで29日、過激派組織「イスラム国」(IS)系武装勢力のテロ攻撃を阻止するため、無人機による空爆を行ったと発表した。カブールの空港を狙った車を使った自爆テロへの対応という。中央軍は、民間人に死傷者が出たとの情報は現時点でないと説明している。
米、アフガンIS系勢力に空爆 報復で立案者殺害か―空港テロ、死者180人超に
爆撃を受けた車両は大爆発を起こしたという。空港付近でロケット弾による爆発があったとの情報もあるが、関連は不明。
米政府は、米兵13人を含む約180人の死者を出した26日のカブール空港自爆テロ以降も、IS系勢力が空港を標的にしたテロを企てているとみている。バイデン米大統領は28日の声明で、「(カブールで)今後24~36時間のうちに新たなテロ攻撃が起きる可能性が高い」と表明。最高度の警戒態勢を維持するよう米軍に指示していた。
バイデン氏は声明で「引き続き極めて危険な状況にある」と指摘。「あらゆる手段を用いて米軍兵士の保護を最優先するよう命じた」と述べた。在アフガン米大使館も29日の空爆に先立ち、「特定の信ぴょう性のある脅威」を理由に、空港周辺から離れるよう警告を発していた。
一方、国防総省のカービー報道官は28日、空港を警備していた駐留部隊の一部が撤収を開始したと発表した。その中でも、空港警備はいまだ米軍が担っていると強調。会見に同席した米軍幹部も「最後までわれわれが空港を運営し、退避作戦実行のために滑走路を使えるようにする」と述べた。