[ブリュッセル 31日 ロイター] – 欧州連合(EU)加盟国は31日に開催した内相会議で、イスラム主義組織タリバンが実権を掌握したアフガニスタンとその近隣諸国への支援を強化する方針で一致した。ただ、アフガニスタンからの難民受け入れに関し共通の政策で合意するまでには至らなかった。
ヨハンソン欧州委員(内務)は会議後の会見で、EUはタリバンから攻撃されやすいアフガニスタンの女性や子ども、裁判官、ジャーナリスト、人権活動家を受け入れるべきとした一方、「難民危機を防ぐ最善の方法は人道危機を防ぐことだ」とし、欧州に100万人超が押し寄せた2015年の難民危機のような状況は「誰もが回避したいと思っている」と述べた。
ドイツのゼーホーファー内相は、全加盟国がそれぞれの役割を果たすべきと指摘。一方、オーストリア、チェコ、デンマーク、ハンガリー、ポーランドは難民の受け入れに反対を表明した。
内相会議では最終的に、難民受け入れを認める国のみが受け入れることが決定された。
共同声明で「教訓に基づき、EUおよびその加盟国は過去に直面した無秩序かつ大規模な不法移民の流入再発を防ぐために共同で行動することを決意した」と表明。ヨハンソン氏はアフガニスタン人への人道的支援を4倍に拡大する用意があるとした上で、開発支援についてはタリバンが女性や少数民族の権利に十分なコミットメントを示すまで保留するとした。資金援助の詳細は不明。