読売新聞社は4~5日、緊急全国世論調査を実施し、次の首相にふさわしい政治家は、トップが河野太郎行政・規制改革相の23%で、石破茂・元幹事長21%、岸田文雄・前政調会長12%と続いた。自民党総裁選(17日告示、29日投開票)を巡っては、安倍前首相の支援を受ける高市早苗・前総務相が出馬に必要な推薦人20人の確保にメドをつけた。
調査は、菅首相の退陣表明を受け実施。自民党の政治家10人から選んでもらった。4位以下は、小泉環境相11%、安倍氏5%、高市氏3%、野田聖子・幹事長代行2%などとなった。菅首相を含め11人で尋ねた前回(8月7~9日調査)は、石破氏が19%、河野氏が18%と 拮抗 していたが、今回調査で逆転した。岸田氏は前回4%、高市氏は同1%からそれぞれ上昇した。
自民支持層に限ってみると、最多は河野氏の30%で、2位石破氏の21%に9ポイントの差をつけた。前回は河野氏24%、石破氏19%で5ポイント差だった。今回調査の3位以下は岸田氏12%、小泉氏10%、安倍氏8%、高市氏5%などで、上位の顔ぶれは全体と変わらなかった。
一方、総裁選出馬の見通しとなった高市氏は5日、政策作りなど準備を進めた。安倍氏も出身の細田派の議員のほか、竹下派議員らに電話し、高市氏への支援を呼びかけた。高市氏は保守的な政治信条で知られ、党政調会長や総務相を務めた。総裁選への女性議員の立候補は、2008年に当時自民党衆院議員だった小池百合子東京都知事が立候補して以来、2人目となる。
出馬表明している岸田氏は5日、動画投稿サイト「ユーチューブ」のライブ配信で、自身に寄せられた視聴者らの質問に回答し、国民の声を幅広く聞く姿勢を強調した。河野氏は週内に出馬表明の記者会見を開く方針で、5日は衆院議員会館で同僚議員らと政策の打ち合わせなどを行った。
石破氏は出馬の是非を見極めている。周囲には「推薦人のメドはついたし、政策の準備も出来ている」と語っている。出馬に意欲を示している野田氏は推薦人集めを急いでいる。