[ニューヨーク 14日 ロイター] – ニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対し小幅安。朝方発表された米消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化する中、米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和の縮小)開始時期を巡り不確実性が強まった。

また、米株価が下落し、米債券利回りが低下する中、リスク選好度が後退した。

8月のCPIは、変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数の伸びが前年同月比4.0%と、7月の4.3%から鈍化し、市場予想の4.2%を下回った。前月比でも0.1%上昇と、7月の0.3%から縮小。2月以来、6カ月ぶりの低い伸びにとどまった。8月の総合CPIも前月比0.3%上昇と、7月の0.5%上昇から鈍化した。

シティ・インデックスのシニアフィナンシャルマーケッツアナリスト、フィオナ・シンコッタ氏は「インフレが和らげば、FRBが早急には動くことはなく、インフレ指数の鈍化を受け、テーパリングの早期開始観測が後退した」と述べた。

先週発表された8月の米卸売物価指数(PPI)でも、変動が大きい食品・エネルギー・貿易サービスを除いたコア指数が前月比0.3%上昇と、昨年11月以来の小幅な伸びにとどまった。

シンコッタ氏は「インフレの高まりがピークを過ぎた兆候が垣間見られる。しかし、サプライチェーンのボトルネックは当面続く見通しで、PPIやCPIが大幅かつ急速に低下する公算は小さい」と指摘した。

来週開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)でテーパリング開始時期の発表があるか注目が高まる。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は小幅安の92.601。

ユーロ/ドルはほぼ変わらずの1.1807ドル。

安全通貨の円やスイスフランは上昇。ドルは対円で0.4%安の109.615円、対スイスフランでも0.4%安の0.9189フラン。

豪ドルは対米ドルで2週間ぶり安値に沈んだ後、0.7%安の0.7319米ドルで推移。オーストラリア準備銀行(中央銀行)のロウ総裁は14日、賃金が伸び悩んでいるため、2024年までに政策金利を引き上げる可能性は低いとの見解を改めて示した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは3.1%高の4万6400ドル。イーサは1.9%高の3344ドル。

ドル/円 NY終値 109.67/109.70

始値 110.13

高値 110.15

安値 109.54

ユーロ/ドル NY終値 1.1802/1.1806

始値 1.1803

高値 1.1845

安値 1.1801