社員に怒号
上海市中心部にある恒大のビルでは23日朝、金融商品を購入した住民約100人が抗議に押し寄せた。
社員らに怒号を飛ばす住民を警官6人が懸命になだめている。社員に詰め寄っていた60歳代の男性は「50万元(約850万円)を投資した。返金されるまで諦めない」と憤った。
恒大の負債総額は6月末時点で、1兆9665億元(約33兆4000億円)の巨額に上る。広東省深セン市の本社では23日、多数の警官が抗議再発に備えて警戒に当たっていた。今月上旬から「金を返せ」と抗議する人々が詰めかけて、警察が公共の秩序を乱したとして一部を連行しても、各地の抗議の動きはやまない。
恒大は18日、事態の沈静化に向け、投資者らに対し、滞った返済金をマンションの部屋などの提供で相殺する措置を始めた。だが、広東省広州市の対応窓口では22日時点で「一時停止」の看板が出されるなど、手続きに進展はないようだ。
建設放置も
恒大が全国で手がけるマンション建設も、途中で放置されるケースが相次ぐ。広東省仏山市の建設現場では7月に建設が止まって以降、作業員は一人も戻っていない。近くの女性清掃員(51)は「作業員への給料未払いで、労働争議も起きていた」と語った。
投資目的でこのマンションの一室を五十数万元(約1000万円)の一括払いで購入した40歳代の男性会社員は、他の購入者らとの情報交換のためSNSのグループチャットに加わった。「結婚のために買った家だった。自殺したい」と投稿した人もいるという。