米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は28日の上院銀行委員会での証言テキストで、供給面でのボトルネックが予想していたよりも長く続いていると述べ、インフレ圧力は今後数カ月間強く、その後緩和するとの見通しを示した。
パウエル議長は27日に事前公表されたテキストでボトルネックについて、「この影響は予想より大きい上に長く続いているが、やがて弱まるだろう。それに伴い、インフレ率は当局の長期目標である2%に向け鈍化すると予想される」と指摘した。
一方で、「経済活動の再開が続くことから、ボトルネックや採用難などの制約が再び予想を超える規模で予想よりも長引き、インフレを押し上げる可能性がある」とも付け加えた。
議長はその上で、「インフレの高止まりが深刻な懸念材料になった場合、われわれはインフレが確実に目標と合致する水準になるよう対処し、そのための手段を活用するだろう」と述べた。
パウエル議長はまた、特に新型コロナウイルス禍に敏感なセクターで米雇用者数の増加ペースが8月に鈍化したと発言。労働参加率が上向いていないことを考慮すれば、失業率の5.2%は雇用不足の実態を十分に反映していないと指摘した。テキストでは資産購入のテーパリング(段階的縮小)への言及はない。
原題:Powell Says Jobs Still Short of Goal as Supply Woes Raise Prices、Powell to Say Inflation Likely to Remain Elevated in Near Future(抜粋)
(議長のコメントなどを追加して更新します)