先月、議会選挙が行われたドイツでは、新政権の発足に向けて、第1党となった中道左派の社会民主党と、第3党と第4党による交渉が行われることになり、社会民主党が主導する連立政権に向けた一歩として注目されています。
先月行われたドイツの連邦議会選挙では、二大政党のうち中道左派の社会民主党が第1党に、メルケル首相が所属する中道右派のキリスト教民主・社会同盟が第2党になりました。
いずれも過半数には届かず、それぞれ、第3党で環境政策を前面に掲げる緑の党と、第4党で市場経済を重視する中道右派の自由民主党を引き入れた連立政権の発足を目指しています。
こうした中、緑の党と自由民主党は6日、社会民主党との交渉を進める考えを示し、7日に3党の間で交渉が行われることになりました。
この3党による連立は各党のイメージカラーから「信号機連立」と呼ばれ、成立すれば、社会民主党の首相候補、ショルツ氏が次の首相になると見られています。
ショルツ氏は6日、「ドイツを前進させる新たな政権を樹立することが重要だ」と述べ、新政権の発足に強い意欲を示しました。
緑の党と自由民主党は、どちらもキリスト教民主・社会同盟と連立を組む可能性を排除していませんが、今回の方針は社会民主党が主導する連立政権に向けた一歩として注目されています。
一方、メルケル首相は新政権が発足するまで首相の座にとどまり、その後、政界から引退する予定です。