北朝鮮外務省は7日付で、岸田文雄首相が4日の就任後に日本人拉致問題の解決を目指すと表明したことに対し、「拉致問題は完全に終わった問題だ」と反論する記事をホームページに掲載した。北朝鮮当局が岸田首相の就任に言及したのは初めて。
記事は、同省日本研究所の李炳徳(リ・ビョンドク)研究員の名義で掲載。拉致問題について2002年9月と04年5月に当時の小泉純一郎首相が訪朝したことを挙げ、それを契機として「その後のわれわれの誠意と努力で既に全て解決された」と主張した。
記事は「最初のボタンから掛け違えれば、朝日関係はさらに濃い暗雲の中に陥る」と警告し、「日本の首相は朝日関係に関する言動を慎重に行う必要がある」と牽制(けんせい)した。(ソウル 桜井紀雄)