【ソウル時事】来年3月の韓国大統領選に向け、革新系の与党「共に民主党」は10日、李在明・京畿道知事(56)を公認候補に選出した。締めくくりとなるソウル地域の予備選と、国民・一般党員による3回目の投票の結果がこの日発表され、予備選の累計得票率50.29%を獲得した。
李在明氏は受諾演説で「国民が求める『変化と改革』を必ず完遂させる」と強調。「危機をチャンスに変える。日本を追い越し、先進国に追い付き、世界を先導する国をつくる」と訴えた。
予備選は大衆的人気の高い李在明氏を李洛淵元首相が追う展開。11の地域別投票と3回の国民・一般党員投票を積算する方式。李洛淵氏は地元、光州・全羅南道で辛勝したほか、3回目の国民・一般党員の投票で勝利し追い上げたが、李在明氏の過半数を阻止できなかった。
李在明氏は自治体首長としての実績を訴え「実行力」を強調した。首都圏・城南市長時代の都市開発をめぐる疑惑が9月中旬に浮上したが、大きく影響しなかった。
李在明氏は2010年に城南市長に就任してから、未来のリーダー候補として頭角を現し、17年大統領選の共に民主党予備選に初出馬。敗れたものの本命候補だった文在寅大統領と激しく論争し、名を上げた。歯切れの良さが持ち味だが「ポピュリスト」とも評され、反日的な発言も繰り返してきた。
李在明氏は中央政界での経験がなく党内非主流派とされてきた。李在明氏の疑惑を厳しく追及した李洛淵氏も39.14%を得票。李洛淵氏陣営は予備選の無効票の扱いについて異議を申し立てることを決めた。支持者の間にもしこりが残っているとみられ、本選に向けて党の結束を図れるかが課題になる。