• グローバル化した域内経済はシステミックな衝撃を被りやすい
  • 供給面でのボトルネックの影響が他よりも大きい

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁は16日、ユーロ圏経済のグローバル化により、域内経済はサプライチェーンの混乱によるシステミックな衝撃に極めて脆弱(ぜいじゃく)になっているとの見解を示した。国際通貨基金(IMF)の国際金融イベント「パー・ヤコブセン・レクチャー」で語った。

  同総裁は「欧州にとって世界経済は変動を防ぐ安定化要因というよりも、衝撃を生み出す源に今後ますますなっていく可能性があることを示す兆候がみられる」と指摘。ユーロ圏のグローバル化が進んでいるため、供給面でのボトルネックの影響が「他の経済よりも大きい」と説明した。

  同総裁はまた、部品や原材料を必要な時に必要な量だけ仕入れるジャストインタイム在庫管理について、この数十年間、世界貿易を支配してきたが、「システミックな衝撃に極めて脆弱」だとし、これによってユーロ圏経済に持ち込まれる変動性は今後、減らずに増えていくとの見通しを示した。

原題:Just-in-Time Economy Becoming a Problem for Europe, Lagarde Says(抜粋)