厚生労働省は29日、遺伝子を効率よく改変するゲノム編集技術を使って成長を速めたトラフグについて、新興企業リージョナルフィッシュ(京都市)が申請したゲノム編集食品の届け出を受理した。

 同日開かれた厚労省の専門家調査会が、同社が流通を計画しているトラフグの安全性に、問題がないことを確認した。ゲノム編集食品の国内での届け出は、トマト、マダイに続き3例目で、同社の届け出はマダイに続き2例目となる。

 このトラフグは、京都大などのチームが開発した。食欲の調節に関わる遺伝子をゲノム編集技術で壊しているため、食欲が旺盛で、これまでの養殖トラフグに比べて平均1・9倍速く成長するという。通常2年以上かかる出荷までの期間を短くできる利点がある。

 同社はこのトラフグを「22世紀ふぐ」と名づけ、同日からインターネット上で資金を募るクラウドファンディングを始めた。このトラフグを使った刺し身などの試験販売の予約を、資金の提供者から受け付け、来月下旬以降に発送する。