[ワシントン 29日 ロイター] – 米商務省が29日発表した9月の個人消費支出は前月比0.6%増と、市場予想の0.5%増を上回った。8月の消費支出も当初発表の0.8%増から1.0%増に上方改定され、消費支出が底堅く推移していることが示された。しかし、世界的な供給制約を背景に自動車などの商品が不足し、物価押し上げにつながっている。
個人消費支出(PCE)価格指数は前月比0.3%、前年同期比4.4%上昇した。
米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安とする変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE指数は前月比0.2%上昇。8月の0.3%上昇から鈍化し、2月以来の小幅な伸びにとどまったことで、根強いインフレ圧力が消費者の購買力を圧迫している兆候が示された。
コアPCEは前年同月比では4カ月連続で3.6%上昇した。
9月に消費支出の勢いが示されたことは、米成長が第3・四半期に大幅減速した後、第4・四半期に再び加速する可能性を示唆した。
FWDBONDSのチーフエコノミスト、クリストファー・ラプキー氏は「経済が直面しているのは需要ではなく、供給面での問題だ」とし、「引き続き消費に向けられるマネーが存在し、インフレの高まりを抑制することが困難となっている」と述べた。
米商務省が28日発表した第3・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は、年率換算で前期比2.0%増と、第2・四半期の6.7%増から大幅に減速した。米経済活動の3分の2以上を占める個人消費は1.6%増と、前四半期の12%から減速したほか、耐久消費財への支出は26.2%減少した。
9月の個人消費支出の内訳は、サービスが0.6%増と、全体の支出を主導した。ヘルスケア、外食、宿泊などが堅調だった。
一方、サプライチェーンの問題を背景とした新車販売の減少が主因となり、耐久財は0.2%減だった。