米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は「女性はフロントライン労働者の過半数を占めている」と述べ、男性より女性の方がリセッション(景気後退)で多くの雇用を失ったと指摘しました。10月の米雇用統計によると、女性雇用者の比率が最も高いのは教育・医療の77%。パウエル氏が言及したフロントラインは、新型コロナウイルスと闘う前線のことのようです。一方で金融政策のフロントライン、FRBでは法律が定める理事数7人のうち、現時点で1人が空席。パウエル議長を含めた理事6人のうち女性はブレイナード、ボウマン両氏だけです。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。
FRB改造の機会
クオールズFRB理事は12月最終週をもって退任する。FRBがクオールズ氏の辞意を文書で発表した。2017年にFRB入りしたクオールズ氏は、今年10月に副議長(銀行監督担当)としての任期を満了している。バイデン大統領にはすでに次期FRB議長を選出する機会が与えられている。さらに、クラリダFRB副議長の任期は1月末に終了するほか、同理事会では空席が一つある。これにクオールズ氏の後任指名権が加わり、バイデン氏はFRBを再形成する機会を得る。
感染を予防
米バイオ医薬品メーカーのリジェネロン・ファーマシューティカルズは、同社が開発した新型コロナウイルス感染症(COVID19)の抗体カクテル療法「REGEN─COV」が最長8カ月間にわたり有症状の感染リスクを82%引き下げると、試験結果を基に発表した。同社はREGEN─COVを感染予防薬として使用できるよう、米食品医薬品局(FDA)に適用拡大の認可を申請している。
賛成多数
米電気自動車大手テスラの株は一時7%を超える値下がりとなった。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が保有株の10%を売却する是非がツイッター上の投票で問われた結果、賛成多数となったことが背景にある。同投票にはツイッターのユーザー350万人ほどが参加し、約58%が売却に賛成した。マスク氏が保有しているテスラ株は1億7050万株で、対象となる株式は約210億ドル(約2兆3800億円)相当。
来年末までに
FRBのクラリダ副議長は「利上げを検討するのはまだずっと先だということは明らかだ」としつつ、「フェデラルファンド(FF)金利誘導目標を引き上げるために必要な3条件は、2022年末までには達成されていると確信する」と述べた。一方で「今年のインフレは現時点で、長期目標の2%を『適度に』上回るというものを著しく上回っていると自分には見受けられる。来年も同様の状況となるならば、政策としては成功とは見なさない」と述べた。
タイミング誤る
商品先物取引委員会(CFTC)データの移動平均によれば、レバレッジドファンドは過去4週間に2年物米国債先物に強気のポジションを記録的なペースで積み上げ、買い越しは2日に2015年以来の高水準に迫っていた。しかし2年債利回りはその4週間に0.27%から0.56%に急上昇した。投資家は世界的に利上げ時期予想を前倒ししていたが、中央銀行はこれを押し戻そうとし、特に短期債の利回りが大きく変動した。
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