イギリスで開かれている気候変動対策の国連の会議「COP26」は、8日、地球温暖化による被害を軽減するための「適応」と呼ばれる対策がテーマとなり、発展途上国が支援の拡充を求める中、議長国イギリスなどが資金面で新たな支援を行うと表明しました。

「COP26」は、8日、海面上昇や自然災害といった地球温暖化による被害を軽減するための適応策について、閣僚級などが参加する会合が開かれました。

この中では、アフリカ各国から支援の拡充を求める声が相次ぎ、ガーナの代表は「アフリカはどの大陸よりも早く気温が上昇し、被害を受けている。温室効果ガスの削減と同様、適応策にも力を入れることが必要だ」と訴えました。

会合ではデンマークが、官民が協力して資金を拠出し発展途上国を支援する方針を示したほか、議長国イギリスも、この会合を前に、日本円にして440億円余りを拠出する計画を発表しました。

適応をめぐっては、国連が途上国の対策を支援するための基金を設けていて、イギリス政府の発表によりますと「COP26」では、合わせて14の国や州などが基金への新たな拠出を表明し、その額は総額で2億3200万ドル、日本円にしておよそ260億円に上るということです。

国連は、途上国で求められる適応策を講じるには、現在の5倍から10倍の資金が必要だとしていて、9日から始まる閣僚級の会合でも議論のテーマになる予定です。

“来ることができない人たちの声を届ける”デモ

「適応」が議論のテーマとなる中、会場の前では、海面上昇など気候変動の影響を最も受けやすいとされる一方、経済的な理由などで会場に来ることができない人たちの声を届けようというデモが行われました。

デモには日本を含む各国の環境活動家、合わせて20人ほどが参加し、事前に録音した発展途上国の人などのメッセージをスピーカーを通して流していました。

そして「私たちを置き去りにして、私たちのことを決めるな」と書かれた横断幕を掲げ、こうした人たちの声をふまえ、気候変動対策を考えるべきだと訴えていました。