[ブリュッセル/アンカラ/パリ 12日 ロイター] – トルコは12日、シリア、イエメン、イラク国籍の人がトルコからベラルーシに向かう航空機に搭乗することも、航空券を購入することも許可しないと発表した。

欧州連合(EU)加盟国のリトアニアやポーランドの国境沿いにここ数カ月間でベラルーシ経由で中東からの移民が押し寄せており、EUはベラルーシによる移民を使った攻撃の「意図的な拡大」を非難。ベラルーシに対する制裁措置を拡大する方針を示している。

EU当局者はトルコの決定に謝意を表明した。

トルコは中東からの移民の欧州への移動に直接的な役割を果たしていないとしているが、ベラルーシの首都ミンスクの航空には12日もトルコのイスタンブールから6機の民間機が到着する。

このほかEU報道官は、イラク航空がベラルーシ向けの便の運航を停止することで合意したと明らかにした。イラク航空の広報担当者は、イラク政府の要請を受けイラクの全ての航空会社は数カ月前からベラルーシ便の運航を停止しているとしている。

冬が近づき気温が低下する中、ポーランド当局によると、ベラルーシとの国境沿いに約3000─4000人の移民がとどまっている。リトアニアは予定を前倒しし、12月10日までに国境沿いに100キロの鉄条網を設置するとしている。

こうした中、ロシアとベラルーシはポーラントとリトアニアの国境付近で共同軍事演習を実施。北大西洋条約機構(NATO)は事態を注視しているとし、ベラルーシに対し人権を尊重するとともに、国際法を順守するよう呼び掛けた。

このほか、米国のハリス副大統領は訪問先のパリで行なった記者会見で、ポーラントとベラルーシの国境付近の状況を「極めて懸念している」と表明。ベラルーシのルカシェンコ政権は問題のある行動に出ているとし、フランスのマクロン大統領とこの点について協議したと述べた。