英政府は英半導体設計会社アームに対する米エヌビディアの400億ドル(約4兆6000億円)の買収計画について詳細な調査を今週命じる可能性がある。英紙サンデー・タイムズが伝えた。
ドリス・デジタル・文化・メディア・スポーツ相は独占禁止上や国家安全保障上の懸念についてフェーズ2の調査実施を競争法当局に指示する見通し。調査は16日に発表される見込みだと同紙は情報源を明かさずに伝えた。
英競争・市場庁(CMA)は、アームの電力効率の良い設計をライバル会社がアクセスすることがエヌビディアによる買収で阻止されかねないとの懸念を既に表明している。ドリス氏は競争に関してCMAの決定を受け入れる必要があるが、国家安全保障については同氏が最終判断すると同紙は伝えた。
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は先月、買収計画によって「価格上昇を招き、選択肢を減らし、技術革新を弱める」恐れがあるとして、本格的な調査に乗り出している。
エヌビディアのアーム買収、EUが調査-技術使用制限や価格上昇懸念
英政府はサンデー・タイムズ紙に対しコメントを控えた。エヌビディアは英政府と協力して懸念の解消を図る方針を示した。
原題:U.K. Set to Order In-Depth Probe Into Nvidia-Arm Deal: Times(抜粋)