[ワシントン 18日 ロイター] – 米労働省が18日に発表した11月13日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1000件減の26万8000件と、新型コロナウイルス感染拡大開始以降で最も少なくなった。ただ、労働力不足が雇用増の重しになっている。

減少は7週連続。ロイターがまとめたエコノミスト予想は26万件だった。新型コロナ感染拡大が始まった2020年3月半ばの申請件数は25万6000件。これを若干上回る水準まで改善した。

PNCフィナンシャルのチーフエコノミスト、ガス・フォーチャー氏は「労働力に対する需要が非常に堅調な一方、労働者は不足しているため、足元では一時解雇が非常に少ない」と述べた。

調整前の請求件数は1万8183件減少し23万8850件。世界的な半導体不足への対応で自動車メーカーが一時的に解雇していた従業員が復職した可能性がある。ケンタッキー州やミシガン州、テネシー州、オハイオ州で大幅に減少。ただ、カリフォルニア州では増加した。

11月6日までの1週間の継続受給件数は208万人で、前週から12万9000人減。2020年3月中旬以来の低水準だった。

先週の申請件数は、政府が11月の雇用統計の非農業部門の雇用者数を調査した期間に当たる。

ムーディーズ・アナリティクスのシニアエコノミスト、ライアン・スウィート氏は「毎月の雇用の伸びの鍵を握るのは労働供給と新型コロナウイルスのデルタ変異株であるため、不確実性がある。ただ、11月の労働市場に対するデルタ株の影響が最近の感染拡大時に見られたものよりも小さくなっていることは良いニュースだ」と述べた。