[東京 19日 ロイター] – 政府は19日の臨時閣議で、過去最大となる55.7兆円の財政支出を伴う新たな経済対策を決定した。新型コロナ対策や成長と分配に向けた対策を盛り込み、民間資金を含む事業規模としては78.9兆円と想定。実質国内総生産(GDP)の押し上げ効果を5.6%程度と見込んだ。

コロナ克服・新時代開拓のための経済対策は、1)新型コロナウイルス感染症の拡大防止、2)ウィズコロナ下での社会経済活動の再開と次なる危機への備え、3)未来社会を切り拓く新しい資本主義の起動、4)防災・減災、国土強靭化の推進など国民の安全・安心の確保━━が柱。

「雇用や事業を守り抜き、経済の底割れを断固として防ぐ必要がある」とし、財源の裏付けとなる2021年度補正予算については次年度予算と併せ「16カ月予算」として一体編成する。

鈴木俊一財務相は臨時閣議後に記者会見し、財政支出ベースで過去最大の経済対策となったことについて「必要不可欠なものを積み上げた結果で、規模ありきではない」と強調した。

近く編成する2021年度補正予算案に関しては、「財源は税収や不用の発生状況を精査しながら検討していく。(国債の追加発行については)今どの程度になるか申し上げる段階にない」と語った。財政規律を維持することが重要との認識も重ねて示した。

山際大志郎経済再生相は今回の経済対策について「予算、税制、規制改革といったあらゆる政策手段を総動員した総合的な対策となった」とし、一日もはやく効果がでてくるように進捗をフォローアップすると説明した。