[ドーハ 4日 ロイター] – フランスのマクロン大統領は4日、サウジアラビアの政治的実権を握っているムハンマド皇太子と対面方式で会談した。2018年に起きたサウジの反体制記者ジャマル・カショギ氏殺害事件以降で、主要西側諸国の指導者がサウジを訪れたのは今回が初めて。
イラン核合意再建や他の中東問題の解決でサウジを重要な存在とみなしているマクロン氏は皇太子との会談後、記者団に「われわれはいかなるタブー(禁忌)もなしにあらゆる問題を話し合ったし、人権問題を議題にすることができたのも間違いない。直接的な意見交換が行われ、今後に生きてくると期待したい」と語った。
サウジは、バイデン米政権が人権保護強化を迫り、イエメンにおける武力行使やカショギ氏殺害事件に関係する情報開示を求めていることに不満を募らせている。ムハンマド皇太子はこの事件への関与を一貫して否定。ただ事件以後、国際社会では皇太子のイメージが悪化した。
マクロン氏は3日、こうした状況でサウジを訪れればムハンマド皇太子の立場を正当化することになるとの非難を一蹴。中東地域のさまざまな危機はサウジを無視して打開できないと強調した。