[フランクフルト 9日 ロイター] – 複数の関係筋によると、欧州中央銀行(ECB)は今月16日の理事会で、従来の資産購入プログラム(APP)を一時的・限定的に拡大することを検討する。

ただ、3月のパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)終了後、4月以降の買い入れ規模は、現行のAPPとPEPPの合計額を大幅に下回る見通し。

直接事情を知る関係筋6人の話で明らかになった。APPを拡大する一方、規模と期間については制限を設け、将来政策を調整できる柔軟性を残す方向で、合意がまとまりつつあるという。

関係筋によると、APP拡大の詳細はまだ固まっていないが、2つの選択肢が考えられる。

第1の選択肢では、年末までの買い入れ枠を承認するが、全額を使い切る義務はないと表明する。

第2の選択肢では、買い入れ額を短期間引き上げ、今後も買い入れを継続すると表明するが、買い入れ規模は後日協議し、経済が予想通りに推移すれば、減額する公算が大きいとする。

いずれのケースでも、4月以降の債券買い入れ規模は、現行のAPPとPEPPの合計額を大幅に下回る見通し。

ECBの報道官はコメントを控えている。関係筋によると、決定は下されておらず、活発な議論が続いている。