中国指導部は来年の経済運営について、住宅市場の低迷と経済成長の減速という向かい風に対応しつつ、安定した成長の維持を目指すと強調した。
中国共産党は習近平総書記(国家主席)をはじめとする中央政治局常務委員が参加する中央経済工作会議を3日間開催。国営新華社通信が10日に報じたところによると、指導部は同会議の閉会に際して「来年の経済運営では、安定の確保が最優先課題だ」と表明。政府は「住民の合理的な需要を満たすために商業住宅市場を支援する」と約束した。
2022年の経済政策にとって最も重要な言葉は「安定」だと党中央財経委員会弁公室の韓文秀氏が11日語った。「全ての地域と機関が経済の安定を支え、中国経済の安定化につながる政策を積極的に導入する責任を担う必要がある。また、縮小効果のある措置の採用には慎重でなければならない」と会議での決定についてのオンライン説明の場で指摘した。
中央経済工作会議は、来年の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で公表される詳細な経済目標の前触れとなることが多い。アナリストらは減速する経済を支えるための金融や財政面の追加措置、さらには債券・不動産市場の規制緩和の手がかりを得ようと注目している。
華興証券香港のマクロ・戦略調査責任者、龐溟氏は「肝心なのは成長の安定であり、向こう1年の成長が共産党の最優先課題になる」ことを今回の会議は示唆していると語った。
会議では、住宅は住むためのものであって投機の対象ではないとの表現が繰り返された。この表現は、不動産市場の引き締め策が一気に緩和されるとする市場の期待が「過度に楽観的な見方」であることを明確にしていると、龐氏は指摘。「中国が不動産政策を完全に緩めるとは思わない」と述べた。
その他のポイント:
- 金融政策は柔軟かつ適切を維持し、財政政策は効果的で的を絞った、持続可能なものとなる
- 政府当局はインフラ投資の適切な推進を約束
- 中国は資本の効果的な規制を強化する
- 民間部門の発展を支援していく
- 政府は都市別の政策を導入し、産業の健全な発展を促す
- 金融リスクを解決するための政策を練っていく
原題:China Shifts Focus to Economic Stability as Growth Weakens(抜粋)