新型コロナウイルスのオミクロン変異株が世界中で広がる中、感染者が得る免疫力の強さに注目が集まっています。1918年に始まったスペイン風邪は日本では21年まで続き、流行は3年にわたりました。今回の新型コロナは最初の発症から既に2年。致死性の弱い変異株に置き換わることで3年目の終息に期待がかかります。以下は一日を始めるにあたって押さえておきたい5本のニュース。

免疫力アップ

オミクロン変異株に感染すると、デルタ変異株への免疫力が高まり、重症化するリスクが低下し得ると、南アフリカ共和国の科学者が論文で明らかにした。オミクロン株は高い感染力を示し、抗体レベルを弱め得るが、症状が出てから2週間後には、その後のオミクロン株感染に対する免疫力が14倍上昇。デルタ株への免疫力についても、それよりは小さいが改善したという。オミクロンについて、免疫学者である英オックスフォード大学のジョン・ベル教授は「1年前に見ていたのと同じ病気」ではないと述べ、同変異株の性質が比較的穏やかだとする報告と同様の見解を示した。

主流に

米疾病対策センター(CDC)は、米国のコロナ感染症例でオミクロン株が占める割合は12月25日までの週に58.6%との推計を示した。従来推計の73%から下方修正した格好。ただ前週の22.5%からは大きく上昇し、デルタ株(推計41.1%)も上回った。ニューヨーク市は年末年始の休暇明けに公立校でのコロナ検査能力を2倍に引き上げる計画だと、デブラシオ市長が記者会見で明らかにした。

さらに30%

ウェドブッシュのアナリスト、ダニエル・アイブス氏はテスラ株について、向こう1年間に30%近く上昇する可能性があるとリポートで指摘した。来年は部品不足が緩和する見通しで、拡大している中国の需要を満たしやすくなると予想。米テキサス州オースティンと独ベルリンの新工場も、世界的な生産のボトルネックを和らげるはずだとみている。同氏は「テスラに対する全体的に強気な見方の要となるのは、引き続き中国だ。中国は2022年にテスラ車納車の40%を占めるとわれわれは予想する」と記した。

強気派の論拠

米国株強気派の主張を支えるのは1株利益だ。S&P500種株価指数構成銘柄の2022年の1株利益見通しは減るどころか先月には220.40ドルと約1ドル増えた。ロイトホルト・グループのジム・ポールセン氏は「1株利益は毎四半期とも予測を上回り、コンセンサス見通しも上方修正されてきた。その結果、有意な調整局面ではいつも押し目買いが入った」と指摘する。インフレでさえも、大手企業はコスト上昇分をエンドユーザーに転嫁することが可能で、利益率は過去最高水準に達している。 

来年の顔ぶれ

2022年の米連邦公開市場委員会(FOMC)では、投票権を持つメンバーは見たところタカ派的な顔ぶれとなる見通しだ。輪番制による入れ替えで、ハト派の地区連銀総裁が複数抜けてタカ派の総裁が加わるためだ。ただ来年は連邦準備制度理事会(FRB)の理事ポストが3つ空席となり、バイデン政権の人事によりバランスが変わる可能性がある。元FRBスタッフで、現在ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミストを務めるアナ・ウォン氏は「FRB理事ポストの人事で、23年の利上げ回数に関するFOMCの見解が現在予想されている3回から2回に傾く可能性が高い」と分析した。

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