[ワシントン 12日 ロイター] – 米政府はロシアがウクライナ侵攻に踏み切った場合に導入する対ロシア制裁措置の概要を取りまとめ、侵攻すれば直ちに導入する用意を整えた。バイデン政権の複数の高官が12日、明らかにした。
政府高官らは匿名を条件に少数の記者団に対し、バイデン大統領はこれまでロシアがウクライナに侵攻すれば厳しい制裁措置を導入すると表明しているが、用意されていた制裁措置はこれに整合するものとし、「(ロシアの)戦車が国境を超えたら即座に導入できるよう、制裁措置の準備を整えた」と述べた。
具体的な措置については明らかにしなかったものの、関係筋によると、通商を巡る一連の措置が検討されており、ロシアに輸出される米国製品のほか、米国の規制対象になる外国製品などが影響を受ける可能性がある。また、キューバ、イラン、北朝鮮、シリアと同等の厳しい貿易規制が導入される公算もある。
バイデン政権高官はこれに先立ち、ロシアがエネルギー供給を停止した場合にウクライナを支援するため、さまざまな不測の事態に対応する選択肢を検討していると明らかにしていた。
高官は、米国はロシアがウクライナに侵攻した場合、欧州の同盟国がロシアに厳しい経済制裁を課すことに同意すると確信していると指摘。欧州当局者はロシアがウクライナに侵攻した場合の脅威の深刻さに対する認識を一段と強め、強力な対応の必要性について「より率直に」語るようになったという。
また、ウクライナのエネルギー供給が絶たれる可能性があり、欧州のエネルギー供給もウクライナ侵攻の影響を受けかねないため、米当局はロシアのエネルギー供給が減少した場合の影響を認識していると言及。「われわれはさまざまな不測の事態に対応する選択肢を用いてそのリスクを特定し管理することに懸命に取り組んでおり、その全てを欧州と非常に緊密に協議しながら行っている」とした。