[北京 13日 ロイター] – 中国の著名エコノミスト、任沢平氏が短文投稿サイト「微博(ウェイボ)」への投稿を禁止されていることが分かった。同氏は出生率向上に向け3140億ドル規模の「出産奨励基金」を設立するよう中国人民銀行(中央銀行)に提案し、物議を醸していた。

巨額債務を抱えた中国の不動産開発大手、中国恒大集団のチーフエコノミストを務めていた任氏の微博アカウントは360万人のフォロワーを持つが、「関連法規違反のため、ユーザーは現在投稿を禁じられています」との通知文が示されている。具体的にどのような法規に反したのかは不明だ。

政府系紙「証券時報」によると、12日に発動されたこの投稿禁止措置は2週間続くという。

任氏は今週、2つの文章を公表し、落ち込んでいる中国の出生率を上げるための「最も現実的で最も効果的な」方法は人民銀が2兆元(3140億ドル)のお金を刷って出産奨励基金を設立し、全ての子どもに毎月現金を給付することだと提案した。

世界で最も人口の多い中国の出生率は、何世代にもわたって当局の関心事となっている。

任氏は、人民銀が自身の提案に従えば、中国は今後10年間で出生数を5000万人増やすことができ、総人口の減少を防ぐことができると指摘していた。

同氏にコメントを求めたが、今のところ回答を得られていない。

文章は当初、同氏の対話アプリ「微信(ウィーチャット)」アカウントで公開され、ウェイボに再投稿されてから幅広い議論を呼んでいた。13日時点ではどちらのプラットフォームでも閲覧できない状態となっている。

任氏は国務院(内閣)の研究部門でエコノミストのキャリアをスタート。2015年に中国株式市場のピークと崩壊を正確に予測したことで有名になった。