財務省は、民間企業の決算様式に基づいて昨年度・令和2年度末の国の財務状況を公表し、負債が資産を上回る「債務超過」の額が前の年度より63兆円余り多い655兆2000億円と過去最大となりました。3度の補正予算の財源として国債の発行額が増えたことで、債務超過の増加額もこれまでで最も大きくなりました。
財務省は、国の財政を分かりやすく示すため、一般会計と特別会計を合わせた財務状況を民間企業の決算様式にならって公表しています。
25日公表された昨年度末の財務状況によりますと、道路などのインフラや有価証券といった「資産」が前の年度より39兆5000億円増えて720兆8000億円。
一方の「負債」は102兆9000億円増えて1376兆円でした。
この結果、負債が資産を上回る債務超過の額は63兆4000億円増えて、655兆2000億円となり、公表を始めた平成15年度以降、最大となりました。
また、昨年度は、新型コロナ対策として3度にわたる補正予算を組み、財源としての国債の発行額も増えたことから、前の年度と比べた債務超過の増加額も最大となりました。
政府は、今年度も35兆円を超える規模の補正予算を編成していることから、財務状況は一段と悪化する可能性があります。