[ロンドン 31日 ロイター] – 英政府は31日、首相官邸などで新型コロナウイルス感染抑制策実施中にパーティーが繰り返されていた疑惑を巡る調査報告書の一部を公表し、その一部は開催されるべきではなく、政府の中枢部で深刻な過失があったと結論付けた。

調査は上級公務員のスー・グレイ氏が実施。政府のこうした行為の一部は「正当化しがたい」と非難した。ただ警察が捜査を進めていることに関連し調査結果の一部は公表されず、グレイ氏は「意義のある報告書」を提出できなかったと述べた。

グレイ氏は調査報告書で「問題となっている集会の少なくとも何件かは、政府の中枢で働く人に順守が求められる高い規範だけでなく、全ての英国民に当時求められていた規範も順守されなかったという深刻な過失だった」とし、首相官邸での「過度なアルコール摂取」は不適切だったと指摘。「パンデミック(世界的大流行)を背景に、政府は国民に対し日常生活における大幅な制限を受け入れるよう求めていたときに、こうした集会を巡る一部の行為は正当化しがたい」とした。

ただ警察が先週、同疑惑を巡る捜査に着手したことを受け、報告書で扱う疑惑のある集会の件数を16件から4件に削減せざるを得なかったとし、「現時点で有意義な報告書を提出することはできなかった」と述べた。

11月13日にダウニング街10番地の首相官邸で開かれたとされるパーティーのほか、2020年5月20日の「お酒持参」を呼び掛けたとされるパーティーなどは、今回の報告書に含まれていない。

ジョンソン首相は議会で謝罪。改善を確約した。