ウクライナをめぐる軍事的な緊張の高まりを受けて、アメリカのバイデン政権がヨーロッパ東部の防衛態勢を強化するためとして派遣を決めたアメリカ軍の部隊が、ポーランドに相次いで到着しています。

アメリカのバイデン政権は、ヨーロッパ東部の防衛態勢を強化するため、ウクライナに隣接するポーランドとルーマニア、それにドイツに、合わせて3000人規模の部隊の派遣を決めました。

このうち、ポーランドには、主に陸軍の第82空てい師団からおよそ1700人が派遣される予定で、ウクライナ国境に近いポーランド南東部の空港には6日、すでに到着した第1陣に続いてアメリカ軍の輸送機が到着し、兵士が降り立ちました。

陸軍第82空てい師団の指揮官は記者団に対し「われわれは、ポーランドとともに即応能力や互換性を高めるとともに、必要となればNATO=北大西洋条約機構を守るため、ここに派遣された。派遣はすべての同盟国の防衛を確実にするためのものだ」と述べ、攻撃を目的としたものではないと強調しました。

また、ポーランドのブワシュチャク国防相は6日「ロシア帝国を再構築しようという、モスクワの攻撃的な試みに対しては、抑止力と結束こそが最善の手段だ」と述べ、アメリカ軍の増強を歓迎しました。

アメリカとしては、ウクライナ周辺への部隊の派遣によってロシアへの圧力を強める狙いもあるとみられますが、ロシア側はこうした動きがいっそう緊張を高めていると批判しています。