ウォール街の有力行の2つ、ゴールドマン・サックス・グループとシティグループは、米金融当局が3月に大幅な利上げを行うことはないとの見込みに基づく取引を提案している。
4日発表された米雇用統計が予想以上に強い内容だったため、米金融当局が初回の利上げ幅を2000年以来となる0.5ポイントにするとの観測が強まった。スワップ市場が織り込むその確率は、同日遅くまでに一時50%程度まで上昇。その後は約32%に後退した。
米利上げ、3月に0.5ポイントとの見方強まる-力強い雇用統計受け
What’s Priced In Now
Three 25bp hikes priced into June FOMC and 133bp into December FOMC
Bloomberg, CME
Change in Fed’s interest-rate target implied by overnight index swaps and eurodollar futures
ゴールドマンとシティのアナリストは、こうした急激な利上げが決まる公算は小さいとみて、通常行われることが多い0.25ポイントの利上げだった場合に利益を得られるトレーディングを提案している。
プラビーン・コラパティ氏らゴールドマンのストラテジストは、3月の0.5ポイント利上げはないことに賭ける手法として、12月限の翌日物金利スワップ(OIS)を売り、6月限のOISを買うことを挙げた。米金融当局が3月に小幅な利上げを選択した場合、12月限に織り込まれる利上げ期待が多くなるとみられるため、利益が得られるという。
シティが予想する基本シナリオも、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合での0.25ポイント利上げ決定だ。ストラテジストのジャバズ・マタイ氏とジェーソン・ウィリアムズ氏はリポートで利上げ期待が後にずれるとみて、ユーロドル先物の2023年6月限が22年6月限をアンダーパフォームすることを見込む取引を提案した。
原題:Goldman, Citigroup See Winning Bets Against Super-Sized Fed Hike(抜粋)