[ワシントン 15日 ロイター] – 米労働省が15日に発表した1月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比1.0%上昇と、市場予想を上回り、今年も高インフレが続く可能性を示した。サプライチェーンの混乱が続いていることが響いた。

前年同月比は9.7%上昇。昨年12月は前月比0.4%上昇、前年同月比9.8%上昇だった。ロイターがまとめた調査では、前月比0.5%上昇、前年同月比9.1%上昇が予想されていた。

変動が大きい食品・エネルギー・貿易サービスを除いたコア指数は前月比0.9%上昇、前年同月比6.9%上昇。12月は前月比0.4%上昇、前年同月比7.0%上昇だった。

昨年末にはサプライチェーンのボトルネックが解消される兆しを見せていたが、新型コロナウイルスのオミクロン株感染が世界的に拡大する中、改善は足踏みとなっている。米国では感染者数が急減しているが、主要原材料の供給源であるアジアでは感染者数が爆発的な増加を見せている。

ウェルズ・ファーゴ(ノースカロライナ州)のシニアエコノミスト、サム・ブラード氏は「インフレリスクは依然として上向きであり、米連邦準備理事会(FRB)にとっては大きな懸念材料だが、今後数カ月間は上昇が緩やかになるとみている。ただ、インフレ率はパンデミック(世界的な大流行)前の水準を大きく上回って推移するため、政策当局者や企業、消費者のいずれにとってもおおきな問題であり続けるだろう」と述べた。