【モスクワ時事】ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり、両国は停戦交渉を実施することに同意したが、ウクライナは即時降伏の受け入れには否定的で、先行きは予断を許さない。

ロシア核戦力「特別態勢」 ウクライナ停戦交渉、成否不明

 ウクライナ大統領府は交渉は「前提条件なし」で行われると発表した。ロシアは大統領府や外務省、国防省の関係者から成る代表団を派遣。タス通信によると、メジンスキー大統領補佐官がトップを務め、ルデンコ外務次官やフォミン国防次官、スルツキー下院外交委員長らが参加する。

 スルツキー氏は「われわれの立場はかなり譲れないものがある。しかしながら交渉プロセスは何らかの譲歩とロードマップ策定の機会でもある」と主張した。

 ロシアのペスコフ大統領報道官は27日、「ロシア代表団がウクライナとの交渉のため、ベラルーシに到着した」と発表。これに対してウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアのウクライナ侵攻に加担したベラルーシでの協議を拒否。ワルシャワやブダペスト、イスタンブールなどでの開催をロシア側に提案していると訴えていたが、その後にベラルーシのルカシェンコ大統領と電話会談し、交渉への同意を伝えた。

 ゼレンスキー氏は25日、ウクライナの「中立的地位」について、ロシアと話し合う用意があると表明。ロシアも交渉に応じるとしていたが、交渉場所の調整が難航し、ロシアのプーチン大統領は「機会を利用していない」と圧力を強めていた。