[東京 28日 ロイター] – 岸田文雄首相は28日、ウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談を行った。会談後に記者団に対して、ロシアのウクライナ侵攻に対する制裁としてロシア中央銀行やベラルーシを新たに対象とし、ロシア中銀との取引制限などを打ち出すと述べた。
日本時間の29日午前1時15分からバイデン米大統領主催の電話会議でウクライナ情勢について議論することも明らかにした。
首相はゼレンスキー大統領に対して、日本はウクライナとともにあるとし、「ロシアの侵略による犠牲者への心からのお悔やみ」を伝えたという。
ロシアへの追加制裁として、金融制裁の実効性を高めるため、ロシア中央銀行との取引を制限する。「今回の侵略に対するベラルーシの明白な関与」を踏まえ、ルカシェンコ大統領をはじめとする個人や団体への制裁措置や輸出管理措置を講じる。
<バイデン大統領らと電話会談、追加制裁・周辺諸国支援議論>
首相は、ポーランドでウクライナ国境に近いジェシュフ市に臨時の日本政府連絡事務所を開設し、ウクライナ国内にあるキエフの日本大使館および同国西部リビウ市に設置した臨時連絡事務所と連携し、在留邦人の安全確保や陸路でポーランドに退避する邦人の受け入れを支援すると述べた。
帰国に不安を抱く日本在留ウクライナ人の在留延長を可能とする措置も取る。
バイデン大統領などとの電話会談は、米国の同盟国およびパートナーが参加し、ロシアへの制裁を含む今後の対応や周辺諸国への支援を議論する見通しという。
<トヨタ取引先サイバー攻撃とロシアの関係「答えること難しい」>
トヨタ自動車の取引先に対するサイバー攻撃については、現在実態を調査させているとし、ロシアとの関係については答えることは難しいとした。