東芝の綱川智社長と畠澤守副社長、経営企画担当の福山寛執行役上席常務が引責辞任することがわかったと、テレビ東京が1日に報じた。
報道を受けて東芝株は買われ、一時前日比4.9%高の4800円と、2021年4月14日(8.3%)以来の日中上昇率になっている。
報道によると、1日までに指名委員会が辞任を決定しており、同日の臨時取締役会で承認される。新社長には島田太郎執行役上席常務、副社長には東芝エレベータの柳瀬悟郎社長が就任の予定。島田氏らは分割案の見直しなどに着手するとしている。東芝はきょう午後にも会見する見通しだという。
東芝の広報担当、原みどり氏は社長や副社長、上席常務が引責辞任をする事実はないとした上で、本日の取締役会で開示すべき事項を決定した場合には速やかに知らせるとした。
島田氏はドイツのシーメンスなどを経て18年、東芝に入社。最高デジタル責任者としてデジタルトランスフォーメーションや量子暗号技術事業を推進してきた。16年から20年まで社長を務めた綱川氏は、メモリー事業の売却や6000億円の第三者割当増資を実現した。21年4月、車谷暢昭前社長の辞任を受けて再び社長に就任した。
東芝は2月、デバイス事業を分離して上場し、エネルギー・インフラ事業を含む東芝本体と合わせて上場会社2社に分ける再編計画を発表。今月24日に開く臨時総会で出席株主の過半数の賛成を求める。今回の決議は法的拘束力を持たず、23年の定時総会で再編計画の正式決定を目指す。