[ニューヨーク 28日 ロイター] – ニューヨーク外為市場でロシアの通貨ルーブルが急落。ユーロ/ドルも弱含んだものの、終盤にかけて下げ幅を縮小した。西側諸国が対ロシア制裁を強化する中、高リスクへの投資を手じまう動きが強まっている。
欧米諸国はウクライナへの侵攻を続けるロシアへの新たな制裁措置として、ロシアの一部銀行を国際銀行間の送金・決済システムのSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除することで合意した。
ルーブルは一時30%急落し、対米ドルで過去最安値となる120ルーブル近辺に落ち込んだ。その後はロシア中銀の緊急措置を追い風に下げ幅を縮小し、約24%安の111ルーブル近辺で推移した。
ジェフリーズのFXグローバル主任、ブラッド・ベクテル氏は、ルーブル以外では、為替相場は比較的安定的に推移していると指摘。「ルーブル以外の東欧の通貨の低調も目立ったが、最安値を付けているわけではない」とし、「極めて控えめな反応にとどまっている」と述べた。
ロシア・ウクライナの停戦交渉が28日に終了したとロシア通信(RIA)がウクライナ大統領府のポドリャク顧問の話として伝えた。双方の当局者が結果を持ち帰り一段の協議を重ねた後、第2回交渉に臨む見通しという。
ロシア・ウクライナの停戦交渉のニュースを受け、ユーロ/ドルは下げ幅を縮小。一時1%超下落したものの、終盤の取引では0.49%安の1.1212ドル。
安全通貨とされる円とスイスフランは堅調。ドルは対円で0.53%安、対スイスフランで0.95%安となった。
カナダドルは対米ドルで約0.1%上昇。主要輸出品目の原油の価格上昇が追い風となったものの、リスクテイクに消極的な動きから上値は重かった。
投資家の間では地政学上の緊張に加え、米連邦準備理事会(FRB)の利上げの道筋に影響する可能性があるとして、3月4日に発表される米雇用統計が注目される。
CMEのフェドウオッチによると、金融市場はFRBが3月に25ベーシスポイント(bp)の利上げを実施する確率を93%織り込んでいる。
ドル/円 NY終値 114.99/115.02
始値 115.54
高値 115.56
安値 114.87
ユーロ/ドル NY終値 1.1219/1.1223
始値 1.1197
高値 1.1246
安値 1.1180