[アムステルダム/ロンドン 1日 ロイター] – ウクライナ第2の都市ハリコフで国際条約で禁止されているクラスター爆弾が複数回使用された可能性があることが、専門家の話で分かった。
ロイターは住宅が広がる地域で衝撃音と閃光が収録された2種類の映像の位置情報を確認。これらの映像は2月28日にオンラインに掲載された。
この映像を解析した国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチのデジタル調査部門を率いるサム・デュバーレイ氏は「ハリコフは2月28日に複数のクラスター爆弾による攻撃を受けたもようだ」とし、一般市民が被害を受けた可能性があると述べた。
英国陸軍の元将校で生物・化学兵器専門家のハミッシュ・デ・ブレトン・ゴードン氏は電子メールでロイターに対し「1つの弾頭が複数の爆発を引き起こしていることから、クラスター爆弾であることが示唆される」とし、「イラクやシリアで見たクラスター爆弾に似ている」と指摘。ハリコフでクラスター爆弾が使用された可能性が高いとの見方を示した。
ウクライナの駐米大使は2月28日、ロシアがウクライナに対し国際条約で禁止されている燃料気化爆弾とクラスター爆弾を使用したと非難。これに対しロシア大統領府のペスコフ報道官は「偽ニュース」との見方を示している。
2008年のクラスター爆弾禁止条約には108カ国が署名しているが、ロシアとウクライナは共に署名していない。