4日夜に行われた北京パラリンピックの開会式で、IPC=国際パラリンピック委員会のパーソンズ会長がロシアによるウクライナへの軍事侵攻を念頭に平和を訴えましたが、中国の国営テレビが発言の一部を中国語の通訳で伝えない一幕がありました。

4日夜、国家スタジアム、通称「鳥の巣」で行われた北京パラリンピックの開会式では、大会組織委員会の会長で北京市トップの蔡奇書記が「パラリンピックは、私たちをひとつにし、世界に向けて自信や友情、希望を伝えるものだ。手を取り合い、ともに未来に向かおう」とあいさつしました。

このあとIPCのパーソンズ会長はロシアによるウクライナへの軍事侵攻を念頭に「いま、世界で起こっていることに恐怖を感じている。21世紀は戦争や憎悪の時代ではない」などと強い口調で平和を訴えましたが、開会式を中継で伝えた国営の中国中央テレビが発言の一部を中国語の通訳で伝えない一幕がありました。

中国政府はウクライナへの軍事侵攻を続けているロシアを表だって批判せず、ロシア寄りの姿勢を示していて、パーソンズ会長の発言の一部が中国の国民向けに不都合な内容と判断した可能性もあるとみられます。