[ロンドン/パリ 15日 ロイター] – ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は15日、国営テレビ「チャンネル1」のスタジオでの生放送中に映り込み、ウクライナ侵攻に反対した女性の行動について「フーリガン行為」だと一蹴した。
女性は14日、ニュースを読み上げるキャスターの背後で、ロシア語と英語で「戦争反対。戦争をやめろ。プロパガンダを信じるな。この人たちはあなたにうそをついている」と書いたプラカードを掲げ、「戦争やめろ。戦争反対」と叫んだ。
ペスコフ報道官は「この女性に関する限り、これはフーリガン行為だ」とし、チャンネル1を客観的かつタイムリーなニュースの柱と称賛した。
人権団体などによると、反戦を訴えた女性はチャンネル1の従業員で、その後拘束され、モスクワの警察署に連れていかれたという。
ロシアのタス通信は、関係筋の話として、国家捜査当局が15日、最高15年の懲役刑が科される新たな法律の下でこの女性が罰せられるかを調査していると報じた。
ウクライナ侵攻から8日後に導入された新法は、ロシア軍の信用を落とすことを目的とした公的活動を違法とし、フェイクニュースの拡散やロシア軍に関する「意図的に誤った情報の公的な普及」を禁止している。
一方、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のラビナ・シャムダサニ報道官は反戦を訴えた女性について「非常に勇気のあるジャーナリスト」と称賛。「女性が表現の自由の権利を行使したことでいかなる報復も受けないようにすることを当局に要請する」とした。
また、フランスのマクロン大統領は15日、この女性に対する支援提供を表明。「大使館を通じて、あるいは別の形で支援を提供するための外交的措置を取る」とし、プーチン大統領との次回の電話会談でこの問題を提起するとした。